デッドラインヒーローズRPG特集「ヒーローへの道!」デザイナー長田崇先生インタビュー、入門記事、ユーザーさんの感想、体験記紹介!

デッドラインヒーローズ特集

デッドラインヒーローズRPG特集「ヒーローへの道!」デザイナー長田崇先生インタビュー

TRPG情報局でデッドラインヒーローズRPG特集をさせていただきました。

デザイナーの長田崇先生のインタビューや入門記事。ユーザさんの感想やヒーロー紹介コメントなど紹介させていただいています。

デッドラインヒーローズRPGの紹介はもちろんですが、実際に遊ぶ場や機会と出会えるきっかけを作れるような特集になっています。

ぜひご覧ください!

特集1.デッドラインヒーローズRPG特集「ヒーローへの道!」デザイナー長田崇先生インタビュー

特集1.長田崇先生 インタビュー!
デザイナーの長田崇先生にデッドラインヒーローズRPGの魅力や、 TRPGに関するお話しなどお聞きしました!

1.自己紹介

―今日はよろしくお願いします。まずは自己紹介からお願いします。

長田よろしくお願いいたします
ロンメルゲームズの長田崇です。同人誌を出す時は「射狩矢仗助/ロンメルゲームズ」名義、ネットでは「ブラフマン」とうハンドルを使っています。
ツイッターアカウントは、https://twitter.com/Garrotte2000 です。

―今日はデッドラインヒーローズRPG特集ということでデザイナーである長田さんにお話し聞けるということで本当に光栄です。

2.デッドラインヒーローズRPGの話、システム話やコンセプト話

デザインコンセプト、オンセ時代を見据えた「1セッション3時間ぐらいで楽しめるRPG」

―特集ということで、基本情報は前後の記事でも案内させていただきます。デザインコンセプトなど聞けるとありがたいです。

長田:コンセプトとしては「1セッション3時間ぐらいで楽しめるRPG」が最初のコンセプトでした。
そのため、平日の夜、ボイセなら3時間以内で終わるよう、デザインしました。
今は「オンセの時代」だと思います。
かつて90年代には「冬の時代」があって、00年代は大量のリプレイが刊行され続けた「リプレイの時代」。
そしてこの5年ほどは、リプレイ動画やオンセの隆盛に代表される「オンセの時代」といっていいのではないか? と。
まあ、いい加減な区分けではありますけど。なので、そこを狙って、オンセで遊びやすいゲームを制作しました。

―たしかにオンセで募集よくみかけます。数時間後に面白かったとつぶやかれているのもみかけてボイスでのセッション本当に快適だなと思います
私自身もすっかりはまっていて、遊びやすさは実感しています。

セッション規模の見える化とPLにかかるストレスの軽減

―事前情報やエンドチェックなどの工夫やセッション規模の見える化についてもお話聞いていいですか。
事前情報は本当に目から鱗でした。TRPG遊んでいて、いまどこらへんか不安になるのがかなり改善されて感動しました。

長田:事前公開情報は、PLにとっては一種の道標です。
PLにかかるストレスを軽減するために作りました。
「判定の難易度」や「判定回数」「判定タイミング」を可視化すると、プレイアビリティが非常に高くなるんですね。
RPGをデザインするときには毎回一考すべき視点だと思います。
逆に言うと、どこを「見えない化」するか、もデザインしないと、うまくいかないところではあります。
エンドチェックは……『天羅万象』に『吸血姫』というシナリオがありまして。各シーンごとのチェック項目があったんですね。そこから着想を得ました。ちなみに『学園エピュリアン』に実装した「シナリオサーキット」は『デモンパラサイト』の書式を参考にしています。

―どこを「見えない化」するか、もデザインしないと。は、おもしろいですね。

長田:はい。RPGのシナリオを作る際は、「情報は全部出せ」というのがテクニックの一つとしてよく挙げられるんですけど、
セッションを面白くするには、更にその先、「どういう情報を与えないか」というところまで考えていくべきかな、と。

―いいですね。とてもいい話を聞かせていただいてありがたいです。
PCが関わらなかったらどうなるかとかはシナリオ作るときなど私も考えます。
たしかにネタバレではない絶妙な感じが好きです。

支援によるPL間の交流推進

―PCのソースの管理もしやすいなと思います。
チャレンジの判定もサニティ4クレジット4はPCたちに使わせるバランスとかもシナリオでデザインできますよね。

長田:「支援」の効果が累積しないのは、PL間で「どっちが支援する?」という相談を発生させたいからです

―支援は欲しいから、始めましてのPLさん同士もたしかに普通に会話していますね。

長田:行動オプション「集中」「支援」のデザインは、PL間の会話を発生させるためのギミックとして作りました

―相談しますね。まんまと長田さんの手のひらで踊らされていいたw
エナジー絶妙に4の倍数ですからね。―遊び慣れてくるとクレジットに多めに振りたくなるw

長田:「リソースを切って成功率を上げる」という行為を、PLが選んで行えるよう、バランスとシンプルさを重視してデザインしました

―チャレンジ・イベントのときなんかも相談はずみます。白兵高いあなたはこれに挑戦してもらえますかなど相談しますね。

長田:各PC1回しか判定できない点については、固定のルールではなくて、シナリオごとに違ってよいかな、とも思っています

―たしかに判定少なくして強めのボスとかもできますね。
私カシャネコ様すきなのでカシャネコ様出すときチャレンジの判定を少なめにしたりもしました。

システムの話「ロールプレイについて考えるゲーム」

長田:システム話にしましょうか?

―お願いします

長田:制作初期のテストプレイの感想に「ボードゲームっぽいね」と言うものがありまして。これは不味いな、と感じました。
ボードゲームを作りたいわけではなくて、RPGを作りたかったので。
今の市場には、ボードゲーム的な楽しみ方のできるゲームはいっぱいあるから、それでは太刀打ち出来ないだろうな、と感じました。
もちろん、僕は『ガラコと破界の塔』のように、ロールプレイより戦闘やデータカスタマイズに重きをおいたゲームも好きです。
ただ、今はもう少し、ロールプレイについて考えるゲームが欲しいな、という気分だったのです。
そういう理由で、デザインの方向性をガラリと変えて、クエリー&リマークというルールを追加しました。

「ロンメルゲームズ」というブランドは「特定のイメージに染まらない」というか。「戦闘を楽しむ」だけでもなく、「世界観に浸る」だけでもなく、「キャラクターを表現する」だけでもない。
硬派なんだけど、見た目の硬派さにこだわるのではない。本質的な部分が硬派なブランドとして定着させていきたいんです。

―たしかにこのあと同人作品のお話を聞く予定ですが、ジャンルもイメージも多様ですよね。

長田:僕は特定のRPG観にだけ固執するのではなくて、すべてのRPGについて、もっと知りたいんです
D&Dも好きだしN◎VAも好きだし墜落世界も好きだし。
ウォーハンマーも好きだし。

―ここらへんのジャンルや懐の深さ広さはTRPGの魅力のひとつですよね。

長田:あれ? けっこう偏ってる……?

―大丈夫です。多様だと思いますw

「ロールプレイしなくてもいい」クエリーとリマーク

ロールプレイについて考えるゲームという部分でクエリーやリマークについてもお話聞いていいです

長田:ああ、クエリーとリマーク。
あのルールの特徴は、「ロールプレイしなくてもいい」ってところが、とてもエッジで気に入っています。

―たしかにチット制だと構えてしまうという方はいるのでいいなと私も思いました
GMしていて思ったのは後出しリマークですかね。いまのかっこいいからリマークしません?とかテンポも上がるし、のってくれる。

長田:ああ、それはいいですねー。

―GMはオフですることが多いのですが、嬉しそうにしてくれるとGMもうれしい

長田:そうですね。PLに喜んでもらうための技術は、細かく細かく使っています。

―チャレンジも他の人の振るダイスの結果を、あんなに集中してみるかなというくらいみんなみます。あれは久しぶりで新鮮でした。
失敗したらどうなるという案内とリトライも絶妙です。

長田:うむ。事前情報には、怖さもあって、ゲームっぽく、モチベーションが上がるという効果を期待できる反面、本当にPCが敗北する可能性もある

―「集中」「支援」、そしてグリットなどのリソースによって、敗北を回避できるようにデザインされていますね。

長田:ヒーローポイントを使うゲームは、ユーザーから茶番と捉えられる危険性がある。
RPGの戦闘デザインは、茶番であるという事実との闘いですから。

―すごくいい言葉頂けた気がした。RPGの戦闘デザインは、茶番であるという事実との闘い、いいですね。

長田:茶番であることに気づかれたら、そこで終わりだと思う。
うう。辛い。

―そこをデザインすると考えるとTRPGのデザインって本当にすごいですよね。

長田:戦闘だけで済まないですからね。

―没入感とかの話もでてきますしね。

長田:ええ。没入感を助長するための「集中」やグリットだったり。

「グリット」努力・根性・忍耐・情熱

―グリットはもう名称から素敵です。すごく好きです。

長田:ありがとうございます。
名前はいつも、ギリギリまで悩んで変更し続けています。

―デッドライン状態だけどまだグリットは残っているとか、もうそれだけでも燃えます。だからヒーローは倒れない!

長田:決戦フェイズ開始時点でグリット残り1、とかも燃えますね。

―燃えますね。
ダメージの増強がラウンド数なのも本当に燃える。まだだ!とか普通に言えますw
みんなで共有のソースですからね。
使い切ってからのまだリマークのこっているPCがいたとかも燃えますw

長田:すべての行動に、意味があるようにしたいんです。だからデータのバランスとりたい。
なんていうか、どのパワーを取得しても文句言われないバランスにしたいし、戦闘中どういう行動をとっても初心者PLが文句を言われないような選択肢ばかりを用意したい。
現実にはなかなか難しいですけど。

『デッドラインヒーローズRPG』の、ロールプレイの定義「自分自身を表現すること」

キャラメイクからPLさん悩んでくださいますからね。
再現性と活躍の保証というか、そういうところは大事ですよね。
キャラメイクからTRPGは楽しいので、パワー選択は楽しい。

長田:『デッドラインヒーローズRPG』では、ロールプレイの定義を「自分自身を表現すること」としています

―はい。はじめにのページの「キミならどうする?」からなのがわくわくしたの覚えてます

長田:皆、PLもGMも、胸の裡側にグツグツと煮えたぎる歪な塊を抱え込んでいて、
それをどうにかこうにか喉元から取り出して、
他人様に見せても恥ずかしくないように、みっともない場所を削ったり叩いたりして、なんとか形を整えたもののことを、僕は「表現」と呼んでいます

―もうすごくわかります。内面を表現するってことですね
クエリーやリマークは内面描写を可能にしてくれる免罪符みたいなとこ感じることあります
そういう事言うよね!みたいな。
長田さんのお話聞いていると、どんどん遊びたくなりますw

体験セットに込められた思い。ユーザーさんに伝わった思い。編集さんとの二人三脚。

―こうやって長田さんの話を聞いていて、実際に遊びたいと思ってくださった方多いと思うのですが、ここで公式サイトで体験セットというものが用意されているんですよね。

長田:はい。

―あれはもう公開されたときから本当に感動しました。

長田:ありがとうございます。

―あれだけで遊べるんだけど、ルルブが待ち遠しくなる素敵セットw

長田:体験セットは、KADOKAWAの編集さんのアイデアです。
打ち合わせの中で、僕は3回ぐらい、体験セット制作を断った記憶があります。
それでもしつこく編集さんに言われて、気がつくといつの間にか作っていました。
「体験セット」というのは諸刃の剣で、出来が悪ければ製品版を買ってもらえなくなる。宣伝として逆効果になり得る代物です。
それは本当に怖かった。だから僕は制作を断り続けたわけですが、結果としてアレをリリースしたことは正解でした。
作るからには、精一杯いいものを作らねば、というプレッシャーは大きかったです。
アレに込めたメッセージを受け取ってくれるユーザーがいた幸運を、本当にありがたく感じています。

―ルールパートとシナリオパートが分かれていないのも読みやすくよかったのですが、注釈もよかったです。「長く続けられる」とか本当に好きです。

長田:注釈は、自分がGMするつもりで、PLに語りかける気持ちで書きました。

―たしかに語りかけてくださっていたのわかります。

長田:ありがとうございます。

―同人作品も手に取っていたので、デッドラインヒーローズRPGも面白い作品であるのは間違いないと発表段階から確信していたのですが、ちゃんとTRPG好きな人の面白い作品だと感じてワクワクしました

長田:前の作品が面白かったからと云って、次も面白くなる保証なんか、どこにもないですよ。

―長田さんでもまだつくるときや発表するときはそういう思いですか?

長田:恐怖しかないです。

―おーそうなのですね。

長田:悩んでいる時間は無駄かな? と思うんですけど、やっぱり悩んでいる時間が一番多いです。

―そういう思いから生まれた作品に触れられていると思うとさらに好きになりそうです。
デザイナーさん皆さんそうなのでしょうが、デッドラインヒーローズRPGの公式サイトもちゃんと遊んでもらおうというのが伝わる仕様で大好きです
体験キットもPLさん用がある。あれはオフの会でPLさんぶん印刷して持っていってインストに大助かりです

長田:PLさん用のは、気がついたら編集さんが作ってくれていました。

―編集さんすごいですよね

長田:すごいですね。

―私学園エピキュリアン遊ぼうとして、事前情報印刷できなくてこまっていたら、DTPしなおして公開してくださったことがありました。本当に感動です。

長田:僕にとっては世界一の編集ですね。

―電子書籍ならではの問題だったので、もう絶対に応援すると決めて、今回の特集もしようと思いましたw

長田:なるほど。このインタビューも編集さんのおかげですな。

―当然作品の大ファンでもあったのですが、スタッフさんまで好きになりましたw

長田:電子書籍オンリーのシナリオ集というのは、今までなかったと思うので、あれが出せたのは嬉しかったです。

―ルルブと同時発売でしたからね。これは買わねばと思いました。

長田:はい。ありがたいことです。

―電子書籍みてGMしたのもはじめてでしたが、ファンキットでNPCイラストも公開してくださっていたので、普通に遊ぶより快適でした。

長田:それは良かった。

―オフでの体験会や、オンセでヒーロー! キャンペーンも素敵ですよね。
ちゃんと遊んでもらいたい感を伝えてくれているの大好きです。
ファンキットも本当に素晴らしい。

ザ・チャンピオン

長田:これも編集さんが、各イラストレーターの方々に連絡して、許可をもらったらしく……いや、編集さんの話はもういいやww

―おー本当にありがたい。しろー大野先生とか昔からファンなのでw
編集さんを二人で褒める会になってしまいますね。

長田:あらためて振り返ると編集さんの仕事ばっかだな。

―いえいえ素敵な作品あればこそですよ。
なんかリアル『重版出来』の話ですね。いい話聞けて嬉しいです。

長田:『重版出来』好きでした。

公式サイトの充実。オフやオンセでの体験卓

―公式の話にもどって、オンセでヒーロー! キャンペーンは長田さんがGMする回もあるんですよね。

長田:・オンセでヒーロー! キャンペーンおかげさまで大盛況です。
僕もGMとして楽しませていただいております。

―デザイナーさんとのセッションはファンはたまらないだろうなと思いました。

オンセでのGMも、最初は慣れないこともあって大変だったのですが、ようやくコツがつかめてきたように思います。やはり、どどんとふは便利ですね!
オフセと違って、施設を借りたり交通費を払って移動したりする手間がないのは嬉しい。
「家に帰ってパソコンをつければRPGができる」という環境は、まさに天国ですね。

―たしかにこの収録もどどんとふでさせていただいていますからね。

長田:僕としても、GMをする機会が増えるのは本当に助かる。
直接ユーザーから話が聞けるのは、勉強になります。

―ユーザーさんも嬉しいと思います。

長田:面白いのは、5月に遊んだときと7月になってから遊んだときとでは、遊び方が違ってきているんです

―おーなるほど。

長田:初めて遊ぶユーザーばかりの頃と、すでに何度も遊んでいるユーザーでは、明確に遊び方が違う
ゲーム自体が変化してきている

―5月と7月のシナリオはおなじものですか?

長田:はい。

―そうなると本当にプレイスタイルの変化なのでしょうね。面白いですね

長田:たとえば、やりこんでいる人たちは、PLでありながら「エンドチェック」を意識しつつイベントをこなしたりしてる。

―おー感じますか。そういうところあるかもですね。

長田:そこらへんとても面白いです。

―いい方向に向けようと思っている感を通じ合えている瞬間ありますよね。そういうのたまらない瞬間ですよね。

長田:『学園エピキュリアン』は、遊んだユーザーの方からけっこう好評をいただいておりまして、もっとあの設定を掘り下げた「何か」を発表できないかな、と考えております

―おー楽しみすぎる。私も大好きです。自作シナリオも麻神学園にしました。

長田:これはきちんと発表できることになったら、ウェブなどでお伝えしたいと思います。

―クラスメイトヒーローとかをユーザーさんから募集しても楽しそう。

長田:敵強すぎ、という意見も頂いていますけどね!>麻神学園。

セッションボリュームと密度、満足感

―私、余韻フェイズの「余韻」という表現も大好きです。

長田:余韻フェイズ、ありがとうございます。

―余韻フェイズをちゃんと余韻にしたいと思いながらGMします。

長田:うん。余韻大事。
マンガにしろ小説にしろゲームにしろ、やはり「テンポ」が一番大事です。
「余韻」というのは、そのテンポからの流れを表したかったんです。
「テンポ」というか、「間」かも。

―学園エピキュリアンはオフの会で成長ありで2話あそべたのでGMしていてもちゃんと遊んだ感がすごかったです。
テンポや間がいいけどちゃんと遊んだ感あるのはいいなと思いました。
デルブとかもそうですが、セッションの満足感と規模とかは遊びながらいつも課題です。

長田:僕もコンベンションで学園エピキュリアンを遊んだんですけど、二話連続で遊んでも、きちんと時間内に終わりました。良かった!!

―NPCをどうするかとか、余韻フェイズでみんなで考えてくれてすごくみていてうれしかったです。

長田:面白くするには密度を濃くするしかないかなー、と。

―密度はキーワードかもですね。テキストでオンセしていると展開フェイズはクエリー場面続いてダイス振らずに終わる日もあるのですが、ちゃんと面白い

長田:うん。

―あとからあれ?今日ダイス振ってないみたいなw

長田:「ダイスを振れば面白い」というのは幻想だと思います。

―それはすごく感じましたね。
進行にダイス結果が左右も本音いえば怖いところがります。

長田:いや、ダイスを振ること自体は面白いはずなんだけど、「振っても振らなくても一緒だ」ということを意識されてしまったら、そのRPGはデザインとして失敗していると思う。

―クエリー・イベントは進んでいる感の安心感がすごい。エンドチェックふくめてですね。

長田:一方で、PCの行動確認」という意味も、判定にはあるのですけどね。

―わかります。

長田:まあ、「知覚で振ってみて?」とか、そういった判定にも意味はあるので。

―PCはその事件や事象への関わりを感じたいですよね。
情報収集場面とかTRPG界隈で定期的に論争にもなりますよね。

長田:「情報収集」のデザインはとても大切で、ここをおろそかにすると退屈なゲームになってしまう。悩ましいです。

―チャレンジ判定もフォーカス判定も大好きなのですが、PCの関わりの蓄積で成果が得られる。変わるというのは大好きです。ダイスを振る意味やリソースを消費する意味合いも上げられる気がしてとても好きです。
PCは活躍したいしNPC助けたいですからね。

長田:はい。

―チャレンジは、リトライと失敗結果含めて早い段階からシステムのコアとして決まっていた感じなのですか?

長田:はい。クエリーやリマークより先でした。

―おーそうなのですね。チャレンジとクエリーは自作シナリオ作っていても作りやすかったです。

長田:元々は「後七日で世界が終わる」状況からスタートするRPGを作ろうとしていたので。

―ホットスタートなRPGですね。それがいまのかたちになったのですね。経緯気になります。

長田:紆余曲折を経た結果、ああいうゲームになりました。

―世界はかなりデッドラインですからね。世界の終りに7日よりも近いともいえますね。

長田:体験セットもルールブックのシナリオも、実は依頼型導入を避けているんですよ>ホットスタート

―あったしかに導入フェイズそういう作りですね。
いま12時間でPC①遊んでます。

長田:導入が一番重要だと感じていたので。

―ホットスタートだなとNPCに煽られながら思いましたw
でも、あっこういうのを問われるのかと、すんなり世界に入れた感じもあり最初からワクワクしました。

長田:『学園エピキュリアン』は、もう少し遊びやすさを先した導入になったけど。

―学園もので入学式は大事ですからw
学園エピキュリアンは最初にオフでGMしたものなので印象深いですね。自作シナリオも2話続き物にしたりと影響受けました。

長田:本当に嬉しい話です!!
シナリオ自作してもらえるのはほんとに嬉しい。

3.デッドラインヒーローズRPGの話、ユーザーコンテンツやコミュニティの話

公式サイトの充実ぶりユーザーコンテンツの盛り上がり

―自作シナリオというところで、ユーザーコンテンツなどの話もきかせてください。

長田:ユーザーコンテンツの盛り上がりが嬉しいです。
今後もずっと募集しておりますので、シナリオやヴィラン組織など、オリジナルコンテンツを作られた方は、富士見ドラゴンブック編集部のツイッターアカウントまでDMください。よろしくお願いいたします。

―どんどん公開されていますよね。
あれはもう実際に遊ばれている感も伝わるし、ユーザーさんも喜ばれるしですばらしいです。

公式以外のシナリオ見る機会はあまり多くないので、公開先がpixivだEvernoteだなどふくめてとても興味深く更新も楽しみにしています。

長田:ええ。まだ公式サイトにリンクを貼れていないコンテンツがいくつかあるみたいです。
リンクを貼るぐらいしかできなくて申し訳ない、という感じです。

―おーまだ公開控えているものあるのですね。楽しみです。
直リンクいいと思います。掲載お願いする側としては手元にコンテンツだと修正・加筆もあとからできるのでありがたいです。

あとヴィラン組織ですよね。ヴィラン人気だなとw

長田:ヴィラン作るの楽しいですからねー

―私もシナリオの掲載目指して、先日オフで遊んだシナリオを加筆中です。
最近だと各オリジン用マーク画像も嬉しかったです。

DLHロゴ

長田:かっこいい。

―このマークも作られている様子をコミュニティの方で拝見したので公開されたときは嬉しかったです。

ユーザーさんの集う場所「G6日本支部」

―デッドラインヒーローズRPGにはファンの方が作ってくれたコミュニティがあるんですよね。
今回の特集でも紹介させていただいています。

長田:コミュニティの話としては、最近はユーザーの方が、Discordを使ってデッドラインヒーローズRPGのコミュ(G6日本支部)を作ってくださいまして。すでに80人以上がメンバーとして参加してくれています。
先日、G6温泉支部もできたようですし。ありがたいありがたい。
今までにも、何度か自分のゲームでは言及しているのですけど、RPGはユーザーのものです。ユーザー自身がこのゲームを変えていく。創り上げていく。そういうコンテンツでないと、遊ぶ側としても面白くないんじゃないか?と思うんですね。
与えられたものをこなすだけなんて、つまらないじゃないですか?
シナリオもヴィラン組織も、そしてヒーローも。動画も。ユーザー自身が創っていく。僕はそれを絶対に否定したくない。
「細かいこと言わないから好きにやれ!!」「というかコンテンツ創ってくれてありがとう!!」
それがロンメルゲームズのスタンスです。
長田:ディスコードすごいなー、と感じてます。

―何がいいって、みなさんデッドライン好きな方ばかりだというのが天国w

長田:ええ。

―管理人さんの人柄や努力もあってもりあがっていますよね。

長田:マージナルヒーローズファンとか、アマデウスファンが集まるディスコード鯖もあるらしいんですよね。

―おーそうなのですね。
過去ログも追いやすいからディスコードでのコミュニティ増えてくるのかもですね。

長田:逆にツイッターからは、そういうコアなファンの活動は見えにくくなりつつあるのかな?というのはありますけど。

―私も今回の特集するにあたり、G6日本支部さんの存在は心強かったです。紹介できてうれしかったです。広報などはみんなでお手伝いできるといいですよね。

長田:ですね。ヒーロー好きな人達ばかりなので、オススメの映画やゲームなどの紹介が頻繁に行われていて、けっこう参考になります。ありがたいです

―G6さんのチャットで知り合った方がオフの会に来て下さり、デッドラインヒーローズRPG遊んだりとオンセとオフセの垣根も越えていい場所だと思います。

長田:それは嬉しい。

4.同人活動について

―じつは長田さんの作品にふれるのはデッドラインヒーローズRPGが初めてではなくてですね。
同人作品についての話しも聞かせていただけますか

長田:はい。

―「ヴィジョンズ ジ・アンリアル=ホラー1)ヴィジョンズ ジ・アンリアル=ホラー 現代日本を舞台にしたTRPG。PCは、街を護る異能者たちとして、アンリアルと言う異能を具現化したものを操って戦います。
ヴィジョンズ
」「ガラコと破界の塔2)ガラコと破界の塔 メカとダンジョンと惑星探索のRPG「ガラコと破界の塔」は、元植民星であるノルヴァ17を舞台に、ハードな日々を生き抜く「ガラコ乗り」となって遊ぶTRPG
ガラコ 
」「バッドライフ3)バッドライフ 怪盗や闇医者、殺シ屋などのアンチヒーロー。“夜の住人(ノクターナル)”となり、巨悪に立ち向かうTRPG
バッドライフ
」ですね。

私が初めて知ったのはガラコなのですよね。PV4)ガラコのPV 本気すぎるPVは本当に感動。メイキング記事なども公開されています。などびっくりして、実際に手に取ってこれは同人かとw

デッドラインの話でも出たのですが、それぞれ多様で面白いです。
デッドラインがでて昔からのファンをしてはうれしかったのですが、今後同人活動はどうなるかなど含めて話きけるとありがたいです。

長田:『ヴィジョンズ』は超能力を持った現代異能モノ。『ガラコ』はメカに載ってドローンを倒す話、『バッドライフ』はアンチヒーローになるRPGですからね。

―同じ人が作っているのかという感じですよねw

長田:ゲームショップを定期的に巡回していれば分かることですが、今は商業誌と同人誌が同列で棚に並べられる時代です。
同人誌と商業誌の境は、これから益々曖昧になっていくのではないでしょうか。
出版社は出版社で、懸命に営業活動を行なっていますし、一方で同人は、自分たちの手で告知活動を行える場(ツイッターなど)も手に入れ始めました。
商業でやる意味、そして同人でやる意味というのは、常に模索していくべきだと思います。片方を無視することは、もはやできない。
僕が商業でやる意味は、やはり出版社の社会的な信用度や、編集者を交えて打ち合わせをすることにより市場の現況を把握できること、などが挙げられます。
一方で、商業には制約も多いわけで、同人誌でやるときは自分のやりたいこと、試してみたいことを全開にしています。
今後も同人はやっていきます。
「商業で出せないなら同人で出すよ」と云えるのは強みなんです。商業で作品を出す際の駆け引きや覚悟においても、とても大切な思考なんですね。

―おーこれは同人でも作品に触れる機会があるということで楽しみです。

長田:今は『デッドラインヒーローズRPG』の同人誌を作っています。夏コミに出せるといいなー、と。
完成してから、きちんと告知します。

―どこかに委託していただける感じですかね。楽しみに情報待ちたいと思います。

長田:ですね。

―私地方在住なので通販対応の場所への委託も是非ご一考くださいw

長田:はい。通販委託はいつもやっております。

5.TRPG歴について

―今回のインタビューの端々や作品のライティングの中でほとばしるTRPG愛を感じているのですが、TRPG歴などお聞きしていいですか。

長田:はーい

―TRPGとの出会いからいいでしょうか。

長田:そう。あれは忘れもしない。小学校6年生のクリスマスの時期でした
友人の父親が「これ、大人が一年とかかけて遊ぶゲームなんだぜ」と言って、友人へのクリスマスプレゼントに買ってきた「ウィザードリィRPG」のBOX。
なぜかその友達より、僕のほうがハマってしまった。

―おー!コンピュータのウィザードリィはご存じだったのですか?

長田:ええ。

―でも知っていてもどうやってあれを遊ぶんだろうの世界ですよね。

長田:翌月ぐらいに、その親父さんが「12歳以上推奨」みたいな断り書きが書かれたファミコン版ウィザードリィを買ってきまして。

―小学6年生ぎりぎりですねw
SNEさんが手がけられた箱のやつですよね。すごいデビューだ。
まずだれがGMされたのかと興味津々です。

長田:GMは……僕がやっていたような。ルールとか、相当いい加減でしたけどね。

―一番遊びたい人がGMするのはあるあるですよね。

長田:地下10階まで縦穴を掘って、ワードナの部屋の後ろまで掘り進めて、強襲しよう、とか小学生っぽいことを考えて楽しんでいました。

―まぁTRPGならできますね。ワードナ強襲。小学生さすがすぎる。
パーティ人数必要なイメージですが、メンバーはご友人に声かけられたですか?

長田:もうよく覚えていない……いや、6人はいなかったですね

―小学生でTRPGデビューはすごいですね。

長田:いや、ルールとかテキトーでしたから。

―そこからきれることなくTRPGは遊ばれていた感じですか?

長田:いえ。高校のときにソード・ワールドを何回か遊んで。
後は大学入ってからですね

―あー遊んでいない時期もあったのですね。

長田:TRPG研究会に入ったのに、サークルに顔を出したら皆MTGしかやってなかった。

―wwwその時期ですかw
いままでに一番遊ばれたシステムの話などもきいていいですか?

長田:うーん。
N◎VAかウォーハンマーかD&Dです。
回数はよくわからない。

―あー先ほど言われていた作品ですね。
ウォーハンマーは文庫のですか?

長田:いえ。ウォーハンマーFRP2ndです。ホビージャパンから日本語版が出たやつ。

―あーなるほど。

長田:メジャーとミニチュアを使って戦闘してました。

―いいですねw豪華なプレイ環境だ

長田:ウォーハンマーの判定はd100ロールなんですけど、PCの能力値の平均が30%とかなんですね。だけど非常にバランスが取れてる。

―おもしろいですね。

長田:衝撃的なゲームでした

―30%はダイス振るのどきどきしますね。

長田:あの経験がデッドラインヒーローズRPGに生かされています。

―いいですね。

長田:成功率30%の判定を、いかにして成功させるか考えるのは楽しいです。

―ハービンジャーとかまさにそこらへんの確率ですよね。絶妙ですよね。

長田:はい。

―遊ぶ側から作る側の話も聞きたいのですが、自分でTRPGを作ろうかなというきっかけやタイミングなどはありましたか?

長田:うーん。昔から思っていたから、何がきっかけかはよく分からないです。

―データをいじってみる。世界観をいじってみるとかはされていた感じでしたか?

長田:きっかけやタイミングがなくても、作りたいヒトは結局、作ってしまうんじゃないかな?

―あーそこなんですね。作って発表する。手に届けてくれるってそういうことなのかもですね。

長田:どちらかというと、ハウスルールとかはあまり作らず、公式ルールをそのまま採用するタイプでした。

―せっかくなのでTRPG以外の趣味というか、アメコミのことなども。デッドラインの参考になる作品とかきけたらユーザーさん喜ばれると思うのでお聞きしていいですか。
長田さんがいろいろなジャンルに造詣ふかいのは、チャットなどで存じているのでデッドラインにつながりそうな範囲でお願いします

長田:映画だと『スパイダーマン1・2』後はクリストファー・リーヴの『スーパーマン1・2』
『アイアンマン』の冒頭も好きだし、『レゴバットマン ザ・ムービー』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』もお勧めです。

―冒頭良いですよね。『冒険野郎マクガイバー』的な楽しさもあるw

長田:デッドラインヒーローズということでいうと、やはり近年のマーベル映画はどれも参考になります。
邦訳版コミックでいうと、『ジャスティス・リーグ』が一番かなー。完結してるし。

―あっDCのですね。完結しているのか読んでみようかな。情報ありがとうございます。

長田:DC作品はホント名作多いです。『シャザム! :魔法の守護者』読んで下さい。是非。

―ワンダーウーマンもありますしね。

長田:ええ。

―映画をみたら《女神のガントレット》持ちのキャラ作ってしまいそうw

長田:映画の前売券買うと、特典でアメコミがついてくるんですよ。ワンダーウーマン。

―おー!買わないと、観にいくだろうし。

長田:英語だけど、結構簡単なので、僕でもどうにか内容分かった。

―情報ありがとうございます。

6.今後の活動や告知

―今日は貴重なお話ありがとうございました。

長田:はい。

―最後に今後の活動や告知をお聞きできる範囲でお教えいただけますか。

長田:活動は、同人と商業、両方続けていきます。

―嬉しいです。

長田:具体的なことは、それぞれ完成してから告知したい。本当に出来上がるのか、毎回ドキドキしながら作っているので。フォーマットにメスを入れながら作っているので、不安定なんですよね。

近日の発売情報としては、デッドラインヒーローズRPGの電子書籍ルールブックが出ます。

―電子書籍ルルブの情報は拝見したので買う予定です。

長田:なんか特典5)特典 公式さんから案内ありました。
先行予約特典に「PL用サマリー」
常時購入特典「全オリジンの新パワー」先行収録
とかも付くぽいので、よろしくお願いいたします。

―おー特典!

長田:7/20とか、それぐらいだったかな。

―楽しみです
最後にユーザーの方に一言いただいて締めとさせていただいていいですか
途中でTRPGはユーザーのものとかいう言葉は頂いたのですがw

長田:売れるものが作れるかどうかは分かりませんが、常に「面白いモノ」を作っていきたいと考えています。
これからも応援、よろしくお願いいたします。

―今回は本当にありがとうございました!

長田:ありがとうございました!

脚注[+]