現代忍術バトルRPG シノビガミ -忍神- 現代退魔編『十字を背負いし忍達』  メイキング 著者:真波カオル

現代忍術バトルRPG シノビガミ -忍神- 現代退魔編『十字を背負いし忍達』  メイキング 著者:真波カオル – TRPGサークル『鹿児島TRPG倶楽部』 TRPGやボードゲームを楽しんでいます

※この記事にはこの事件の真相や秘密に関する情報が記載されています。
シノビガミは、非公開のハンドアウトを探り合い、自身の使命を達成するゲームです。
プレイ前に秘密情報を知っていると、本来の楽しみ方を損なう可能性があります。
プレイ予定の方はご注意ください。(オンセでしたらTwitterや定例会の時などでお声掛けいただけたら、日程が合えばGMいたします)

シナリオ:十字を背負いし忍達

2017年2月26日開催、第22回鹿児島TRPG倶楽部定期ゲーム会で行いました。
シノビガミ『十字を背負いし忍達』のメイキングテキストです。

1. シナリオの「種」:見たいイメージを思い描こう

シナリオだけでなく、何事にもまずとっかかりが必要です。
大雑把にいえば「こんなことやってみたい」っていう気持ちが大事なわけです。
それを「種」にして、最後にはシナリオとして育っていってくれればなと思います。

さて私がシナリオを作るとき、たいていまずハイライトを「種」にします。
どんなシーン、どんなシチュエーション、どんなやり取り、どんな設定、どんな敵と戦うか、を見たいか、というのから始めて膨らましていくわけです。

上記のうちどれか一つのこともあれば、複数の要素が混じっていることもあります。
今回の『十字を背負いし忍達』では、
「護ろうとしていたヒロイン(幼馴染とかいいよね)がすでに魔物に取りつかれていて人を襲っていた。彼女を救うために彼女と戦わなくてはならない」
というシチュエーション(と敵)がこのシナリオの「種」でした。
このシナリオではその「種」はだいたいクライマックス部分にあたりますが、それ以外が「種」になっていることもあります。
(例えば導入部分が「種」のものだと、『ある像の展示が行われている。それはマリア観音のような本来の信仰を偽装して行うための代用品。ていうかぶっちゃげPLレベル※ だともう神話生物だよねって察しちゃう感じの造形。その歴史と宗教について知るツアーに探索者たちは参加するのであった』という出オチシナリオなクトゥルフ神話TRPGとか考えていたりします)

ここで思いついた「種」が自分の嗜好や好みとか性癖にあえばあうほど、シナリオ作りのモチベーションが上がっていきます。
なぜなら完成したら、「その見たかったもの」が見れるはずですから。

※PLレベル:ここではプレイヤー目線というか、ゲームの中のキャラクターではなくゲーム参加者間で、くらいのざっくりとした意味

2. ハイライトを起こすには、とシステム選択:話の流れの表現しやすいルールを選ぼう

個人的なハイライトが決まりましたら、次はそのハイライトをどのような方法で発生させるかを考えます。

まずはハイライトの状況の整理をしてみましょう。
『十字を背負いし忍達』を例にとると

  • <ヒロインを護りたい>
  • <実はヒロインが犯人>
  • <しかし彼女の意志ではない>
  • <まだヒロインは助けられる>
  • <戦闘>

という要素があります。
小説(あるいは漫画やドラマなどでも想像しやすいものでOK)のプロットで表現するなら、
「ヒロインとの日常で彼女への親愛の演出」(護りたいこの笑顔)→「けれど彼女は事件とのつながりがあり、犯人……!」→「だが、様子がおかしい。彼女に取りつく何かがいる」→「そいつを倒せば彼女は元に戻るはず……!」→「そしてバトルシーン」
のような流れになると思います。

ところで、TRPGにはいろいろなシステムがあります。
(シノビガミのほかにもクトゥルフ神話TRPGとかネクロニカとかマギカロギアとか)
その中で、上に書いたようなシナリオの流れにしやすいのは何かを考えて行きます。

今回のようなお話の場合、まずメインになるのは「情報獲得による状況の変化」です。
プレイヤーがヒロインの犯行にすら気が付かなかったら、おそらく彼女は彼らにも魔の手を伸ばすでしょう。
プレイヤーがヒロインの犯行に気が付いたのなら、彼女を止めるためあるいは罰するため戦うでしょう。
プレイヤーが真の敵の正体に気が付いたのなら、その敵を倒す方法あるいはヒロインと引き離す方法を探し出し実行しようとするでしょう。
このように、最終局面での戦闘は何らかの形で必ず発生し、それによって物語の結末が大きく変わることが予想できます。

これらの「情報獲得による状況の変化」をゲーム的に(自分が)処理しやすいものを、所持しているルールブックから検討し、今回は「ハンドアウト」【秘密】システムのあるゲームがいいと決めました。
ここでいう「ハンドアウト」とは、サイコロフィクション系のゲームで使われている、およそ最初から公開されている情報のことで、そのキャラクターの傍から見た設定のようなものです。

【秘密】は隠されていたキャラクターの本当の情報です。
これらふたつによって、「ハンドアウト」を調べて、【秘密】を手に入れて、勝利条件が分かる、という変化がゲーム的に保障されています。
私の所持ルルブだと「シノビガミ」「マギカロギア」「インセイン」がそれらを内包したゲームです。
ちなみに「シノビガミ」は忍者もの、「マギカロギア」は魔法もの、「インセイン」は怪異ホラーもの、とざっくり分けるとこんな感じです。
別の面から分類するとPVP(プレイヤー対プレイヤー)の要素を出しやすいのが「シノビガミ」「インセイン」、しにくいのは「マギカロギア」です。
また「マギカロギア」は基本的に戦闘は1対1で、シナリオにもよりますが通常メインフェイズ中に何度も戦闘を行う必要があるという特徴があります。

今回のシステム候補は「情報獲得による状況の変化」をデータ的に演出、保障しやすい「ハンドアウト制」のゲーム3つに絞られました。
ここからさらに選んでいきます。
『十字を背負いし忍達』はジャンルとしては何かといえば、「(出来れば)少年が少女を救う王道ストーリー!」です。
なのでホラーはまた少し雰囲気が違うような気がして、「シノビガミ」か「マギカロギア」にしようと考えました。
物語の途中、プレイヤー同士が敵対しかけるのもありだな、と「シノビガミ」に点が入ります。

そしてもう一つ最終的に「シノビガミ」になった大きな理由に、予定していた定例会の特殊な事情がありました。
それはこの日の定例会は通常より時間が短いということです。
であれば、サンプルキャラクターを使ったとしても、戦闘が長引きやすい「マギカロギア」よりもメインフェイズでの戦闘はターンの上限があり、1ダメージで即脱落の「シノビガミ」(その中でも妖魔と戦う「退魔編」)が良いと判断しました。

このように、TRPGのシステムによって得意なことはいろいろあると思います。
ネクロニカなら、ドール(このゲームにおけるプレイヤーのキャラクターのこと)同士でのコミュニケーションを促すことがしやすいでしょうし、
サイクルと手番制のシステム(シノビガミなど)なら平等に活躍の場面が与えられるはずです。
自分がシナリオで表現したいことと、システムの相性を考えて、どのルールブックを使うかを考えましょう。

3. ハンドアウト作り その1(主にキャラクター編):物語における役割を振り分けよう

これで、どのシステムでシナリオを作るか決まりました。
シノビガミの場合、「ハンドアウト」【秘密】「【使命】(本当の使命)」は必須です。(【使命】、本当の使命はたいてい「ハンドアウト」や【秘密】に記載されていますが)
物語を面白くする要素として、必要があれば「敵のデータ」「プライズ(宝物や情報、必殺の武器など)」も用意する必要があります。

シノビガミの場合、プレイヤーズキャラクター(=プレイヤーが操作するキャラクター以下PC)の「ハンドアウト」等が必要です。
『十字を背負いし忍達』の場合、ヒロインとなるNPC(ノンプレイヤーズキャラクター、基本的にゲームマスターが操作)の分も必要です。
ちなみにヒロインといいますが、この役割は必ずしも女性であるとは限りません。ここでいうヒロインとは最終的にPC達が助ける目標になるキャラクターぐらいの意味合いです。

さて、それではどうやって「ハンドアウト」【秘密】【使命】を作るかというと、ここでもう一度ハイライト発生のための要素を参照します。

  • <ヒロインを護りたい>
  • <実はヒロインが犯人>
  • <しかし彼女の意志ではない>
  • <まだヒロインは助けられる>
  • <戦闘>

です。

<ヒロインを護りたい>=これは【使命】になりそうな要素です。PCの誰かに設定したいです。またヒロインは表面上守りたくなる設定のハンドアウト(PCの幼馴染とか、幼馴染とか!)が良いでしょう。

<実はヒロインが犯人> =これはきっとヒロインの【秘密】に入れるとよいでしょう。

<しかし彼女の意志ではない>=これもヒロインの【秘密】……にしてしまうといっぺんにわかってしまいます。2回調査しないと分からないことにするか、別の誰か(あるいは何か)の【秘密】などに隠しておきましょう。

<まだヒロインは助けられる>=これは手段や方法という【秘密】や「プライズ」として、この情報を手に入れることで、うまくいけば達成できるかもしれないと期待させましょう。

<戦闘>=PVP要素も入れるなら対立要因を考えなくてはいけません。

このような仕分けができました。
ヒロインの「ハンドアウト」と【秘密】のひな型ができました。

ヒロインの「ハンドアウト」【PC1の幼馴染でいい子】/【秘密:事件の犯人】

ハンドアウト制のPCにはナンバーが振られていることがあります。単なる区別のこともあれば、小さい数字(ローナンバー、ちなみについになるのはハイナンバー)ほど主人公ぽかったりします。
PC1とヒロインが幼馴染ということは、ヒロインを護りたいのはPC1でしょうからPC1のハンドアウトはこのようになると思います。

PC1の「ハンドアウト」【ヒロインの幼馴染。「使命」はヒロインを護ること】

さて、きっと主人公的なムーブをしてくれるPCは決まりました。

それでは他のPCをこの物語に巻き込むにはどんな役割がいるでしょうか。
今回PVPもあり得るお話ですので、PC1と対立するキャラクターが必要です。
ところで、事件事件と言っていますが、どんな事件なのか、そしてヒロイン(厳密にはヒロインに取りついている敵)が真犯人なら、当然容疑者もいるはずです。
とはいえ容疑者が最初から捕まってしまうとほかのキャラクターと接触できません。きっと逃亡していて、そこでPC1たちと出会うのでしょう。
逃げるからには捕まりたくないのだろう、少なくとも周りはそう思っているはずです。
というわけでPC2には容疑者枠をやってもらうことにします。

PC2の「ハンドアウト」【事件の犯人として追われている。「使命」は逃げ切ること】

さて、ヒロインの【秘密】=「ヒロインが真犯人」がある以上PC2は事件の黒幕ではありません。
ではなぜ逃げるのか、PC1たちの前に現れたのかそれはきっと伝えたいことがあるからなのかもしれません。
よって、先ほどあげた要素の中からそれっぽいのをあてはめます。
<事件はヒロインの意志ではない>

これをそのままPC2の【秘密】にしてしまうとPC2の【秘密】だけでヒロインの正体が分かってしまいます。
ではどうするか。似たような状況が過去にもあったのでは、魔物……シノビガミでいうところの妖魔は別の誰かに取りついて犯行を行ったことがあったのでは、力ずくで止めようとした結果、妖魔だけが逃げ出し、そして……。
このようなバックボーンがあったならきっとPC2の【秘密】と「ハンドアウト」、「真の使命」はこのようなものになるでしょう。

PC2の「ハンドアウト」【事件の犯人として追われている。「使命」は逃げ切ること】/【秘密:人を殺したことに間違いはない。けれどそれは妖魔に取りつかれていた人を止めたかった(救いたかった)からだ。しかしそれは失敗した。だが対抗手段は見つかった。「真の使命」は妖魔に取りつかれた人を殺さず、妖魔を倒すこと】

そしてPC2が掴んだ「対抗手段」こそ<まだヒロインは助けられる>という希望の「プライズ」になるはずです。

さて容疑者のPCがいるならば当然、追手もいるはずです。
追手を新しいNPCにするか、PCにするかでプレイヤー数の幅を変更できるでしょう。ここではPC3とします。

PC3の「ハンドアウト」【犯人を追ってきた。「使命」は事件を解決すること】

ここまで作成してまだ埋まっていない必要情報はPC1とPC3の【秘密】です。
このままですと、PC2とPC3は逃げるもの追うものという関係で繋がりがありますが、PC1が弱いです。
何よりPC2の過去によって、PC2がかなり物語において大きい比重になっているため、偏らないようにするため他の「ハンドアウト」や【秘密】の設定を詰めていきましょう。

PC1には何かすごい力とかアイテムとかがあるとよさそうです。(GMの趣味でPC1の主人公力を期待しているので)
しかし、最初から知っていたら面白くありません。(ヒロインの危機に、主人公の隠された力が……! とか、そういうのかっこいいですよね)
そこでPC3は、犯人捜しは口実で、実はそのすごい何か(「プライズ」)を探すのが本来の目的なのかもしれません。
けれどあまりにも事件の本筋と離れているのはよくないですから、事件解決に必要なものなのでしょう。
ではPC2以外にもいろいろ接触しやすいような【使命】のほうが自然かもしれません。
PC2が犯人だと分かっているのにPC1やNPCを探っているのは不自然でしょうから。

PC3の「ハンドアウト」【事件の犯人を追っている。迷宮入りにしたら恥だ。この際冤罪でもいい。「使命」は事件は解決したと世間に発表できるようにすること】/【秘密:ここら辺いる誰かがこの事件解決できるすごいプライズを持っているらしい。「真の使命」はそのすごいプライズを手に入れること】

……まだプライズの設定決めてないんでふわってしてますが、いいんです、まだこの段階では。
本当だったら誰も知らない部分なんですから。完成して配る前までにかっこいい文章にすればいいんです。

残りはPC1の【秘密】です。PC1にはヒロインを助けてもらいたいので、変えなくてもいいような気もしますが、始まる前から情報の格差社会が生まれてます。
PC2もPC3も事件解決のために役立つ情報を持っています。このままではPC1は情報弱者になってしまいます。
具体的にいえば、PC2は登場キャラクターの誰かの正体は妖魔であるとほぼ確信しているでしょう。
PC3は登場キャラクターの誰かがカギとなるプライズを持っているだろうということを知っています。
ゲーム開始時点で、調査の方向性が彼らには見えています。
しかしPC1は「ヒロインを護る」という思いしかわかっていません。調査で何を調べればいいかという指針が分かりにくいのです。
(PC2は真犯人を追ってこの街に来たので、真犯人は自分を追うPC3ではなく、ヒロインかPC2にあたりが付きます。PC3も同様です)
しかし、PC1の【秘密】に記す内容として妖魔についての情報は不適当です。ヒロインを疑うより先に、妖魔に食いつくでしょうから。
つまりここPC1に与えるのは「ヒロインが疑わしい」ということです。
ヒロインを護るという前提からずれるようですが、あくまでも「最近の」彼女がおかしいのであって本来の彼女はそうではない、はず。
このような構図です。よってPC1のハンドアウト等はこのようになります。

PC1の「ハンドアウト」【ヒロインの幼馴染。「使命」はヒロインを守ること】/【秘密:最近の彼女は様子がおかしい。「本当の使命」は元の彼女に戻すこと】

GM目線ではこれでPC1の使命は本来のヒロインを救い、護ることになります。
ですが、そのことはPC1がほかの秘密を探らなければわからないことなのです。
これで必要最低限のキャラクターのハンドアウトは埋まりました。

3-1. ハンドアウト作り その2(主にプライズ編):どのようにプライズが物語を動かすか考えよう

プライズなどにもハンドアウトがあります。
プライズがあることで物語の変化は大きくなるはずです。
奪い合いの対象になるかもしれません、ボスへの必殺攻撃になるかもしれません。
今回のシナリオでも、それらの情報はプライズのハンドアウトや【秘密】を調べることで、なんかすごいプライズがどんなプライズか分かります。
……どんなすごいプライズでしょうか。

今回のシナリオではPC2が掴んでいる「対抗手段」とPC3が探している「すごいプライズ」がハンドアウトのあるプライズです。(今のところは)
それぞれにどのような設定を与えるか考えます。

「すごいプライズ」はすごいので、たぶん妖魔を封印したり、妖魔だけ攻撃できるとか、大ダメージを与えられるとか、そんな武器にするとよさそうです。
「対抗手段」はPC2が掴んだ妖魔の情報ですから、PC2が自分の身に起きたことで気が付いたことになるはずです。

この場合、妖魔に操られていた人をそのまま攻撃する=妖魔は倒せない、操られていた人にダメージ、ということは体験として知っています。
では妖魔を倒すには妖魔そのものに攻撃しなくてはいけません。
よって、この妖魔への対抗手段とは「妖魔の正体を掴んでから攻撃する」ということにします。
データ的にいうと、「妖魔への攻撃はヒロインの秘密を知ってからでないといけない。それより前に生命力0にするとヒロインは死亡する」ということです。
この情報を最初はPC2だけが知っています。
ヒロインが怪しいという情報を最初から持っているPC1は、戦闘によって【秘密】を手に入れようとするかもしれません。

しかし、PC2は、誰かは知らないけれどこの中の誰かに妖魔が取りついてるということだけは知っています。
通常、メインフェイズでの戦闘において重要なキャラクターは死亡しません。(メインフェイズ中、生命力が0になったキャラクターは各シーンの開始時に1回復します)
しかしこのシナリオでは違います。妖魔に取りつかれているキャラクターは死亡してしまう可能性があります。
ここで対立構造が生まれる可能性があります。
ヒロインを調べるため、あるいはヒロインを庇うために、ほかのキャラクターを攻撃しようとするPC1、それをさらに止めようとするPC2……。
こちらは秘密を調べることで解消できる対立です。
ちなみに、PC2のなるべく戦闘でダメージを自分以外のキャラクターの受けるダメージを減らしたいという目的のためと、退魔編のハグレモノのサンプルキャラクターの忍法の構成は、結構かみ合っています。

ここでPC2の推奨をハグレモノにすることに決めたので、ほかの推奨も決めていこうと思います。
PC1は青春ポイ感じで御斎学園、PC3は使命的に比良坂機関が噛んでそうです。
PC2とPC3は表の使命的には対立しています。比良坂機関のサンプルキャラクターは射撃戦ダメージを与える忍法をとっていますので、PC2の射撃戦ダメージを防げる忍法は相性がよさそうです。
比良坂は射撃戦以外にも集団戦ダメージも与えられますので手も足も出ないことはなさそうです。
しかしここで御伽学園のサンプルキャラクターの忍法構成を見て頭を抱えました。
長期戦、持久戦に持ち込みじわじわと追い詰めるタイプです。
ヒーローっぽい火力なら奥義でとってもらうかあるいは「すごいプライズ」の効果で使えるようにする方法がありますが、せっかくなのでこの忍法を生かせるような設定にしたいと考えだしました
詳しくは公式のキャラシを見ていただきたいのですが、このキャラクターは、戦場を最初に決めた好きなものに変更できる、ターンを早く経過させることができる忍です。
これらのことでプラスになるようなギミックを考えてみましょう。
まず、この妖魔は苦手な場所がある。そこで戦うと有利になる、封印できる、というギミックです。
しかし、この場合弱点として決めていた戦場とプレイヤーが選んだ戦場が違えば無意味になってしまいます。

次に思いついたのが時間経過でギミックが発動。ターン数を経過させればさせるほどメリットが大きくなるというものです。
そして今回のセッションは実プレイ時間が通常ほど取れないという事情もありました。
クライマックスフェイズでの戦闘は上限がありません。決着がつくまで、対戦者が敗北を認めるまで戦闘は続きます。
それならば、ターン経過で封印ができるということにすれ時間調節の安全弁になるはずです。
これで「すごいプライズ」の効果を「Nターン経過で封印できる」という効果をベースにしようと決めました。

この辺りで妖魔のデータも考えます。中忍3人の共通の敵なので、中級妖魔あたりが適当でしょうか。
「吸血鬼」などよさそうですが、接近戦攻撃系が多いので、PC2のハグレモノの忍法にとって不利です。
ここは「妄獣」あたりにしておこうと思いました。

さてプライズによっては「秘密」のないものもあります。
そして「対抗手段」=「妖魔の情報」というプライズに【秘密】はいらないと判断しました。
【妖魔の正体を掴む前に攻撃しても妖魔には効かない。妖魔を倒すには妖魔の正体を掴め】(より厳密にいうとこの【秘密】」を知るために改めて情報判定しなくてもよい)

「すごいプライズ」のほうはまだもう少し考える必要がありそうです。
とりあえず、「妖魔の情報」というプライズを手に入れると妖魔の倒し方が分かり、「すごいプライズ」によって物語は決着するだろうという方向性は立ちました。

3-2. ハンドアウト作り その3(調節編):サイクル数と調査ハンドアウトの枚数、ハンドアウトのすり合わせを考えよう

さてシノビガミはサイクル制のゲームです。1サイクルに1回それぞれ何かの行動ができます。
今回は3人のプレイヤーで4サイクルの想定なので、12回全体でプレイヤーは何かの行動を行えます。
最初の手番では各自感情判定を選ぶかもしれません。なのでここでは実質9回行動を起こせると仮定しましょう。
まず調査するハンドアウトの数です。
プレイヤーが3人なのでPC分で3枚(ただし自分の分は調べなくていいので実質2枚)
NPC分で1枚
プライズが2個(ただし判定の必要数は未定)
この段階で3~4枚です。少し少ないような気がします。
そこで、ヒロインは「一般人」として扱うことにしました。一般人は忍者のような忍法を持っていませんが、代わりに「ペルソナ」を持っています。ペルソナの表面は【偽装】といい、他人からどのようにみられているかを表します。

一般人の【秘密】の調査をすると【秘密】と「ペルソナ」の【真実】どちらか未公開のものがランダム対象になります。ペルソナの【真実】」が明らかになるといろいろな効果が発生することがあります。
このペルソナの【偽装】によってヒロインの印象を表現するといいでしょう。
優等生で、けれど何か悩んでいるような、そんな少女です。
ペルソナは2枚あるので、これですべて公開のために必要な手番は5~7枚となりました。
この数を見て、やはり「妖魔の情報」は手番を不要で、PC2の秘密と一緒に明らかになるギミックを仕込み、「すごいプライズ」には何か判定して得られる情報にしようと決めました。
そしてこのすごいプライズの効果をPC3は最初から知っていることにするには、表に書くのがよいでしょう。
これで暫定ハンドアウトはこのようになります。

ヒロインの「ハンドアウト」【PC1の幼馴染】【偽装:優等生】【偽装:物思い】/【秘密:事件の犯人「妄獣」】【真実:些細な嘘】【真実:死神】

PC1の「ハンドアウト」【ヒロインの幼馴染。「使命」はヒロインを守ること】/【秘密:最近の彼女は様子がおかしい。「本当の使命」は元の彼女に戻すこと】

PC2の「ハンドアウト」【事件の犯人として追われている。「使命」は逃げ切ること】
/【秘密:人を殺したことに間違いはない。けれどそれは妖魔に取りつかれていた人を止めたかった(救いたかった)からだ。しかしそれは失敗した。だが「妖魔の情報」は見つかった。「真の使命」は妖魔に取りつかれた人を殺さず、妖魔を倒すこと】(プライズとして「妖魔の情報」を持っている)

PC3の「ハンドアウト」【事件の犯人を追っている。迷宮入りにしたら恥だ。この際冤罪でもいい。「使命」は事件は解決したと世間に発表できるようにすること】
/【秘密:ここら辺いる誰かがこの事件解決できるすごいプライズを持っているらしい。「真の使命」はそのすごいプライズを手に入れること】

「妖魔の情報」:【妖魔の正体を掴む前に攻撃しても妖魔には効かない。妖魔を倒すには妖魔の正体を掴む必要がある】
「すごいプライズ」の「ハンドアウト」【このプライズを使うとNターン経過で封印できる?】/【秘密:PC1が所持している?】

「すごいプライズ」のハンドアウトは最初は未公開で、PC3だけ(とPC3の【秘密】を知ったキャラクター)が知っているのがよいでしょう。
これで各PCの調査ハンドアウト数は6枚です。

ここで見直すと、PC3の「真の使命」は孤立するかもしれない【使命】です。
PC1とPC2の使命は書き方は違いますがほぼ同じです。「ヒロインを生かしたまま妖魔から解放すること」です。
ですがPC3の場合、ヒロインの生死は問いません。それどころか、プライズの所有権をめぐってクライマックスフェイズまで対立する可能性があります。
PC1がプライズを譲渡すれば全員【使命】達成できる協力型ですが、この構図がかなりPC1の考えひとつに依存しすぎています。【使命】達成の可能性は大体平等にしたいところです。
そこで、PC3の【真の使命】を可変式にすることにしました。
つまり【使命】を「プライズを手に入れること」か、「ヒロインを生かしたまま妖魔から解放すること」にするか選べるような【秘密】を加えようと思います。
「PC3はPC1とヒロインの関係性にに何らかのシンパシーを持っていて、力になりたい。PC1の使命を達成させたい」
このような趣旨のものを入れ、PC1の【使命】へ協力を【本当の使命】にすることができれば、PC1がプライズを渡さなくとも、使命達成が絶望的にはならないはずです。
ということで、この【本当の使命】を【秘密】か【もうひとつの秘密】(もう一度調査判定を行うで明らかにする)にすることでバランスをとることにしました。
PC3の使命は最終的にPC3が選ぶので、調べていなくても助けてもらえる可能性もありますし、開けていても助けてくれない場合もあります。
ここはオフセであんまり一度に情報を詰め込めない、ギミックとして二つの使命があることでこんなやり方もあると思ってもらえるだろうということで、もう一度調査することで分かる【秘密】にしました。

PC3の「ハンドアウト」【事件の犯人を追っている。迷宮入りにしたら恥だ。この際冤罪でもいい。「使命」は事件は解決したと世間に発表できるようにすること】
/【秘密:ここら辺いる誰かがこの事件解決できるすごいプライズを持っているらしい。「真の使命」はそのすごいプライズを手に入れること】
/【もうひとつの秘密:PC3はPC1とヒロインの関係性にに何らかのシンパシーを持っていて、力になりたい。PC1の【使命】、あれば【真の使命】を達成させることを「真の使命」にしてもよい】

これで、PCは望むのであれば全員が「ヒロインを生かしたまま妖魔から解放すること」を達成するためのモチベーションが得られる協力型となるはずです。
最終的にPCが行う調査ハンドアウトは6~7枚(PC3は自身のもう一つ【秘密】はすでに知っている)で、ほぼ協力型でもあり、失敗1.2回判定で失敗しても取り返しはつきそうです。
今回は時間設定の都合もあるので導入で、居所か感情を得られる判定をさせて余裕を作ってもいいと思います。

さてここでPC1はあまり事件そのものについての情報を持っていないということに気が付きます。
PC2は容疑者で実は被害者です。そして真の敵の重要な情報を握っています。
PC3はこの事件解決のための手段に心当たりがあります。
PC1はその手段の所持者ですが、そのことをまだ知りません。
ゲーム開始時点でこの格差、似たようなことを「3. ハンドアウト作り その1(主にキャラクター編)」でも言ってますが、行動の指針がとりにくいでしょう。
そこでPC1の【秘密:最近の彼女は様子がおかしい。「本当の使命」は元の彼女に戻すこと】にデータ的な補強をします。
【秘密:最近の彼女は様子がおかしい。あなたはヒロインの【真実】を知っている。これらの【真実】の効果を無視できる。「本当の使命」は元の彼女に戻すこと】
ヒロインの【秘密】は二つとも地雷です。ダメージを受けるか、公開してもほぼフレーバー要素でおいしくないもの。
これでPC1は【真実】を踏まないように調査対象からしばらく様子を見るもよし、あえて自分があけることでペナルティを無効化するもよし、というメリットがあります。
ミソなのはあくまで「知っている」だけなのでPC1の【秘密】を開けただけではヒロインの【真実】は開示できません。
ロールプレイでそれとなく匂わせたり、PC1の【秘密】が公開情報になった場合にでもPC1が望んでいれば内容だけ知ってもらってもよいかもです。
ヒロインの【秘密】が一発で抜けていたなら、手番がかなり有利になるでしょうが、その分いろいろな行動をとれるのでいいとしましょう。
【逢魔時】の効果で運が悪ければ回復判定したいキャラクターもいるかもしれません。
あるいは、導入フェイズにおいて感情判定(一方通行)のチャンスを作ればよりメインフェイズ中の行動の幅も広がります。
場合によってはプライズの所持者を巡って戦闘をしたいキャラクターもいるかもです。

最後にプライズについて考えます。
プライズの効果で一発で勝敗決まってしまうのもあまり面白くありません。
「このプライズの所持者はラウンド終了時プライズの使用を宣言することで、好きな「妖術」分野で判定を行い
〔【妖魔の生命力】-「経過ラウンド数」+2〕以上の出目を出すことで妖魔を封印し倒すことができる。」
これなら体力を減らすことにも意味ができ、長くなりすぎないように時間調節もうまくいけるはずです。
それとせっかくPC1に使ってもらいたいのに、あんまり御伽のサンプル妖術得意じゃないのです。
なので秘密の方に、PC1にもチャンスがあるようなフォローを入れましょう。
「妄獣」は生命力10のエネミーで、生命力を増やす忍法や奥義があります。+2ぐらいあれば御斎の「閃軌」の効果といい勝負になるんじゃないかなという計算です。

秘密は暫定で【PC1が所持している?】ですがもう少しひねろうと思います。
PC3はこのプライズの調査を初手で出来てしまうので、なるべく同じ条件になるように縛りを加えます。
設定【(プライズの効果)このプライズの所有者にはある特徴がある。このプライズを調査するにはその特徴のあるキャラクターを見つけること】
秘密【なんでPC1は自分が所持者だったのを知らなかったかっていう説明。これをPC1が知ったらこの内容で回想シーンを行える】

これでデータ的なものはほぼ決まりました。

ヒロインの「ハンドアウト」【PC1の幼馴染】【偽装:優等生】【偽装:物思い】/【秘密:事件の犯人「妄獣」】【真実:些細な嘘】【真実:死神】

PC1の「ハンドアウト」【ヒロインの幼馴染。「使命」はヒロインを守ること】
/【秘密:最近の彼女は様子がおかしい。あなたはヒロインの【真実】を知っている。これらの【真実】の効果を無視できる。「本当の使命」は元の彼女に戻すこと】

PC2の「ハンドアウト」【事件の犯人として追われている。「使命」は逃げ切ること】
/【秘密:人を殺したことに間違いはない。けれどそれは妖魔に取りつかれていた人を止めたかった(救いたかった)からだ。しかしそれは失敗した。
だが「妖魔の情報」は見つかった。「真の使命」は妖魔に取りつかれた人を殺さず、妖魔を倒すこと】
(プライズとして「妖魔の情報」を持っている)

PC3の「ハンドアウト」【事件の犯人を追っている。迷宮入りにしたら恥だ。この際冤罪でもいい。「使命」は事件は解決したと世間に発表できるようにすること】
/【秘密:ここら辺いる誰かがこの事件解決できるすごいプライズを持っているらしい。「真の使命」はそのすごいプライズを手に入れること】
/【もうひとつの秘密:PC3はPC1とヒロインの関係性にに何らかのシンパシーを持っていて、力になりたい。PC1の【使命】、あれば【真の使命】を達成させることを「真の使命」にしてもよい】

「妖魔の情報」:【妖魔の正体を掴む前に攻撃しても妖魔には効かない。妖魔を倒すには妖魔の正体を掴む必要がある】

「すごいプライズ」の「ハンドアウト」【このプライズの所持者はラウンド終了時プライズの使用を宣言することで、好きな「妖術」分野で判定を行い
〔【妖魔の生命力】-「経過ラウンド数」+2〕以上の出目を出すことで妖魔を封印し倒すことができる。
このプライズの所有者にはある特徴がある。このプライズを調査するにはその特徴のあるキャラクターを見つけること】
/【秘密:なんでPC1は自分が所持者だったのを知らなかったかっていう説明。これをPC1が知ったらこの内容で回想シーンを行える】

4. ブラッシュアップ :フレーバー要素を考えよう

さてハンドアウトの作成もそろそろ大詰めです。
このあたりで設定のふんわりとしたところを固めていきましょう。
例えば、PC3がPC1にシンパシーを感じる理由や「すごいプライズ」についてと、犯行理由あたりです。
【秘密】をまた見返すとPC3と妖魔との直接的な絡みが弱いです。
PC2とPC1にとっては大切な存在を奪った原因、あるいはそうするかもしれない存在です。
ですが、倒すためのキーアイテムを探しているだけで、因縁が足りないです。
そこでフレーバー要素の中に入れ込みましょう。
PC3にはかつて、PC1にとってヒロインのような存在がいて、しかしふたりは幸福な結末をたどらなかった。
例えば、忍の世界と人の世とは闇と光でともにあるべきでないと考え、PC3は関係を断ってしまった。
そのことに思うところがあって、その当時のことを思い起こされるPC1のヒロインを救おうとする姿に力を貸したくなる、そういうこともあるのかもしれません。
ちなみに今回のボス候補の「妄獣」は欲望とか妄想などから産まれるそうです。
これでボスの動機と一挙に解決しそうです。
つまりPC3と妖魔(厳密にはそのもととなった人間)はかつて交際があって、しかし忍として生きると決めたPC3に別れを告げられた。
そのことから、PC3、というよりも忍そのものと、そんな忍と交流を持つ人間の関係を恨み妬み破壊させようとして悪事を働く存在となり果てた、このような設定です。

【PC3のもうひとつの秘密】
PC1と「ヒロイン」を見ているとあなたはかつてのあなたの恋人を思いだす。
その恋人は忍の世界とは何ら関わりもなく、あなたは忍として生きることを選び、恋人と別れた。
恋人を巻き込みたくなかったから行動だったが、そのことで相手はとても傷つき自ら死を選んでしまった。
けれど、PC1には同じ轍は踏んでほしくないとも思っている。
あなたはPC1に対してプラスの感情を持っているとき自分の使命を【PC1の使命(真の使命があるならそちら)を達成させる】にしてもよい

【ヒロインの秘密】
あなたは「ヒロイン」に取りついている妖魔「妄獣」である。
あなたは昔恋人だった忍に捨てられたことで、その妄執が妖魔となり果ててしまった。
もはや人であったときの記憶は薄れているが、それでも忍への憎しみと、ただの人でありながら忍のそばにいる人間への嫉妬から、そういった存在を探し出して取りつき、彼らを破滅させようとしている。
あなたの真の使命は【忍を絶望させる】ことである。

もちろん恋人でなくてもいいのですが、関係が断ちやすく、そのことで化けて出るのは恋愛感情のもつれかなと思います。

そして、PC1と「ヒロイン」が一応「幼馴染」で、PC3と「妄獣」が「恋人」であるならPC2が殺してしまった相手はまた違う関係性がデフォルトがよさそうですので

【PC2の使命】
あなたは殺人の罪を犯した。自分の家族を殺し、逃亡中である。
死体そのものは見つかってしまっているものの、忍であるあなたにとって警察から逃げるのはたやすかった。
警察に捕まらない自信はあるが、公安隠密局がどうやら追ってきているらしい。
あなたの使命は【何としてでも逃げ延びる】ことである。

【PC2の秘密】
あなたが家族の命を奪ってしまったことは間違いない。
しかし、あなたはむしろ妖魔に取りつかれた、忍としての力を持たない家族を救おうとしただけだったのだ。
あなたは犠牲と引き換えに妖魔の情報を得た。あなたは【妖魔の情報】を持っている。
あなたの使命は【妖魔に取りつかれた人を殺さず、妖魔を倒すこと】である。
なお、妖魔に止めを刺すのはあなたでなくて構わない。

家族にしてみました。ちなみにこの「家族」は最初から公開情報で、特に重要ではないので、ロールプレイのしやすさから、PC2が変更を申し出たのなら、別の関係でも構わないです。
もちろん、同じ犠牲は出さないと強く思えるほどに、事情聴取すら受ける間も惜しいと思えるほどに、殺してしまった相手は重要な存在であることは確認してください。
そういう相手だと思ったからこそ「妄獣」は取りついて、PC2を苦しめようとしたのですから。

ここまで決めて、ふとPC2とPC3には「罪」がある、ということに気が付きました。
この物語は、特にPC3にとっておそらくその「罪」と向かい合うストーリーになるでしょう。
であれば、主人公たるPC1にもなにか「罪」、「十字架」を背負うようなそんなフレーバーを入れようと思いました。
ちょうどそのあたりのことを詰め込める余地があります。PC1が「すごいプライズ」を知らずに持っていたその理由です。
本来の持ち主は実は「ヒロイン」で、彼女から「それ」がなんであるかを知らぬまま奪ってしまった、とかそういう感じにしましょう。
そういえばPC3は漠然と「すごいプライズ」のありかを知っているので、きっとその持ち主にはある特徴がでる。
それをどうしてPC3が知っているかは、比良坂所属なんで神託があったというのでよさそうです。
そして、テーマ的に、罪、十字架、十字……こんな感じの要素を入れ込んでみるとこういうことだったのか、感が出るかもです。
タイトルも「十字を背負いし忍達」とかかっこよさそうです。

【PC1の秘密】
あなたは最近の「ヒロイン」の様子がおかしいと感じている。
あなたは朝比奈小春のペルソナの真実を知っている。あなたはその真実によるペナルティを無視できる。(ただし、ペルソナは調査判定で公開情報にするまで公開できない)
幼いころ、あなたは背中の十字型の痣でからかわれ、いじめられていた。そんなあなたを助けてくれたのか彼女であった。
あなたの真の使命は【「ヒロイン」を元の彼女に戻す】ことである。

【PC3の使命】
あなたは世間を騒がす殺人事件を、こちら側の事件とみた公安隠密局の指令でこの街にやってきた。
犯人の目星はついているものの、一筋縄ではいかないようだ。
しかし犯人は逃走中のまま迷宮入りでは、介入した公安隠密局の面目が潰れてしまう。
あなたの使命は【事件は解決したと世間に発表できるようにする】ことである。

【PC3の秘密】
比良坂は巫女の神託によりこの件に妖魔が関わっており、その対抗策として街にある「すごいプライズ」という存在を知った。公安隠密局は犯人は妖魔に操られているのでは考えている。
そして対抗手段としてお告げが出るほどのこのプライズ自体も国益のため、比良坂機関で管理するべきだろう。
あなたの真の使命は【「すごいプライズ」を手に入れる】である。
なおあなたにはもう一つ秘密がある。

【すごいプライズの設定】
妖魔を封じることのできるプライズ。
お告げによると、十字の痣を持つものの肉体にあるらしい。
このプライズの所持者はラウンド終了時【すごいプライズ】の使用を宣言することで、
好きな「妖術」分野で判定を行い
〔【妖魔の生命力】-「経過ラウンド数」+2〕以上の出目を出すことで妖魔を封印し倒すことができる。

このプライズの秘密を調査するには十字の痣を持つキャラクターを突き止めたうえで、調査判定を行うこと。
上記の条件を満たしていると情報共有も発生する。

【すごいプライズの秘密】
この石は本来PC1ではなく、本当の「ヒロイン」の肉体に宿っていたものである。
朝比奈小春はこの【すごいプライズ】を守る忍として育てられていたが、生来の優しさと痣のことでからかわれることはやはり気に病んでいた。
PC1はそんな彼女に同情して変わってあげたいと思った結果、プライズはPC1に宿主を変えた。
忍としての能力もそのときに「ヒロイン」からPC1に移ったものである。
つじつま合わせのため記憶も操作されていた。
この【秘密】を知ったPC1はこの秘密をクライマックスで公表することで、回想シーンを通常のものとは別に行える。

「ヒロイン」や「すごいプライズ」が固有名詞決まってなかったので、名前表とか、魔物を封じる石とか宝石とか、そんな感じで「朝比奈小春」と「封魔石」にすることにしましょう。
ヒロインの使命やPC1の使命に日常から、非日常への予感を入れてみるのもよいでしょう。
ちなみにPC3の【秘密】の「公安隠密局は犯人は妖魔に操られているのでは考えている」の一文はミスリードかつヒントであったりします。容疑者のPC2は妖魔に操られてはいませんが、ヒロインはいわば操られている状態ですので。

5. 見直し:使命の達成条件や流儀の統合性の確認をしよう

フレーバー要素を入れてハンドアウト作成は終わったはずです。

PC1:推奨 御斎学園(流儀:妖魔の力によって苦しんでいるものを助ける、仇敵:ハグレモノ)
【PC1の使命】
あなたは「朝比奈小春」の幼馴染である。
最近この辺りでは殺人事件が起きて物騒だ。
そのうえ、忍達の視線を感じる。
あなたの使命は【「朝比奈小春」を守る】ことである

【PC1の秘密】
あなたは最近の朝比奈小春の様子がおかしいと感じている。
あなたは朝比奈小春のペルソナの真実を知っている。あなたはその真実によるペナルティを無視できる。(ただし、ペルソナは調査判定で公開情報にするまで公開できない)
幼いころ、あなたは背中の十字型の痣でからかわれ、いじめられていた。そんなあなたを助けてくれたのか彼女であった。
あなたの真の使命は【「朝比奈小春」を元の彼女に戻す】ことである。

PC2:推奨 ハグレモノ(流儀:誰にも縛られず自分の意志で戦う、仇敵:斜歯忍軍)
【PC2の使命】
あなたは殺人の罪を犯した。自分の家族を殺し、逃亡中である。
死体そのものは見つかってしまっているものの、忍であるあなたにとって警察から逃げるのはたやすかった。
警察に捕まらない自信はあるが、公安隠密局がどうやら追ってきているらしい。
あなたの使命は【何としてでも逃げ延びる】ことである。

【PC2の秘密】
あなたが家族の命を奪ってしまったことは間違いない。
しかし、あなたはむしろ妖魔に取りつかれた、忍としての力を持たない家族を救おうとしただけだったのだ。
あなたは犠牲と引き換えに妖魔の情報を得た。あなたは【妖魔の情報】を持っている。
あなたの使命は【妖魔に取りつかれた人を殺さず、妖魔を倒すこと】である。
なお、妖魔に止めを刺すのはあなたでなくて構わない。

PC3 推奨 比良坂機関(流儀:日本の国益を守る、仇敵:御斎学園)
【PC3の使命】
あなたは世間を騒がす殺人事件を、こちら側の事件とみた公安隠密局の指令でこの街にやってきた。
犯人の目星はついているものの、一筋縄ではいかないようだ。
しかし犯人は逃走中のまま迷宮入りでは、介入した公安隠密局の面目が潰れてしまう。
あなたの使命は【事件は解決したと世間に発表できるようにする】ことである。

【PC3の秘密】
比良坂は巫女の神託によりこの件に妖魔が関わっており、その対抗策として街にある【封魔石】という存在を知った。公安隠密局は犯人は妖魔に操られているのでは考えている。
そして対抗手段としてお告げが出るほどのこのプライズ自体も国益のため、比良坂機関で管理するべきだろう。
あなたの真の使命は【【封魔石】を手に入れる】である。
なおあなたにはもう一つ秘密がある。

【PC3のもうひとつの秘密】※この秘密を調査するためには、このハンドアウトの存在を知り、情報判定をしなくてはならない。※
PC1と朝比奈小春を見ているとあなたはかつてのあなたの恋人を思いだす。
その恋人は忍の世界とは何ら関わりもなく、あなたは忍として生きることを選び、恋人と別れた。
恋人を巻き込みたくなかったから行動だったが、そのことで相手はとても傷つき自ら死を選んでしまった。
けれど、PC1には同じ轍は踏んでほしくないとも思っている。
あなたはPC1に対してプラスの感情を持っているとき自分の使命を【PC1の使命(真の使命があるならそちら)を達成させる】にしてもよい

朝比奈小春:PC1の幼馴染の一般人
【朝比奈小春の使命】
あなたはPC1の幼馴染の一般人である。
最近怖い事件が起きていて自分たちも巻き込まれるのではと不安だ。
あなたの使命は【平和な日常を生きる】ことである。
ペルソナとして「優等生」「物思い」を獲得している。(ペルソナの内容は省略)

【朝比奈小春の秘密】
あなたは「朝比奈小春」に取りついている妖魔「妄獣」である。
あなたは昔恋人だった忍に捨てられたことで、その妄執が妖魔となり果ててしまった。
もはや人であったときの記憶は薄れているが、それでも忍への憎しみと、ただの人でありながら忍のそばにいる人間への嫉妬から、そういった存在を探し出して取りつき、彼らを破滅させようとしている。
あなたの真の使命は【忍を絶望させる】ことである。

【妖魔の情報】
※この情報はPC2の秘密を知ったものは自動的に入手できる。
PC2は自分からこの情報を公開できない。
この情報を入手したほかのキャラクターはこの情報のみを受け渡しすることができ、単体での情報共有も発生する。※
妖魔が人に取りついた状態では妖魔にダメージを与えることはできない。
それらのダメージは取りついた者にすべて与えられる。
もしもこの妖魔が正体を現す前に(妖魔が取りついているという記載のあるハンドアウトを公開せずに)取りついているキャラクターの生命力を0にしてしまった場合、そのキャラクターはエンディングで死亡する。
正体を現す前のダメージや変調は、正体を現した妖魔には引き継がれない。

プライズ【封魔石の設定】
妖魔を封じることのできる石。
お告げによると、十字の痣を持つものの肉体にあるらしい。
このプライズの所持者はラウンド終了時【封魔石】の使用を宣言することで、
好きな「妖術」分野で判定を行い
〔【妖魔の生命力】-「経過ラウンド数」+2〕以上の出目を出すことで妖魔を封印し倒すことができる。

このプライズの秘密を調査するには十字の痣を持つキャラクターを突き止めたうえで、調査判定を行うこと。
上記の条件を満たしていると情報共有も発生する。

プライズ【封魔石の秘密】
この石は本来PC1ではなく、本当の朝比奈小春の肉体に宿っていたものである。
朝比奈小春はこの【封魔石】を守る忍として育てられていたが、生来の優しさと痣のことでからかわれることはやはり気に病んでいた。
PC1はそんな彼女に同情して変わってあげたいと思った結果、石はPC1に宿主を変えた。
忍としての能力もそのときに朝比奈小春からPC1に移ったものである。つじつま合わせのため記憶も操作されていた。
この【秘密】を知ったPC1はこの秘密をクライマックスで公表することで、回想シーンを通常のものとは別に行える。

まずPC1は使命を達成すると妖魔に操られヒロインを救うことができます。
間違いなく「:妖魔の力によって苦しんでいるものを助ける」ことになります。
仇敵になるPC2の使命達成妨害は、実質自分の使命失敗なので、メインフェイズ時のすれ違いの時に勝っているか、いっそ使命失敗ならそれを根拠に流儀達成といえるかもですがあんまりかっこよくないかも……。
なので、ここは潔く素直に共闘して使命=流儀達成と考えて貰えるようにしましょう。

PC2も同じく使命達成するには、誤解を受けている(ことになってる)なか孤立無援の戦いを繰り広げるダークヒーローですから、達成した暁には「誰にも縛られず自分の意志で戦う」と言えます。
残念ながら仇敵はシナリオ中出ません。

PC3は、最初の本当の使命でプライズ持ち帰りでも、PC1たちと協力して妖魔退治しても「日本の国益を守ったといえるでしょう」
妖魔封印できなさそうなら、仇敵のPC1のプライズ奪うなり、妨害するなりで一応功績点入るはずです。

シーンの進行も一応考えておきます。今回、NPCは自分の手番で使える忍法があるのでそれのマスターシーンや、パターン分けのエンディング例なども準備しているとアドリブよりも安心感が出ます。(そのあたりはシナリオシートで確認お願いします)
致命的な構造ミスもなさそうですので、シナリオの本体はこれで完成です。

6. トレーラー(今回予告)を作ろう:ゲームの紹介文を書こう

中身が完成したので、最後に募集をするときにあると便利なのがトレーラー、今回予告というものです。
これらからやる物語の雰囲気を掴んでもらうためのものです。
個人的には
「なんかそれっぽい文章を数行。
システム名、シナリオ名
印象的な一行」
とかおさまりがいいかなぁ、とか思ってます。
PC達の立ち位置とか、状況をわかるのがいいかもです。

以上を踏まえて今回のトレーラーはこちら

『ここは平和な街、だったのは数日前までの話。
殺人事件の発生、いまだ犯人は逃走中。
この事件の影に蠢く闇はいったい……。
追うもの、逃げるもの、守るもの。それぞれの立場で忍達は街を駆ける……!

現代忍術バトルRPG シノビガミ -忍神-

現代退魔編『十字を背負いし忍達』

あなたはそれを背負い続けますか? それとも……。』

以上、『十字を背負いし忍達』を作った流れを思いだしつつ、書き起こしました。
もちろん、これはあくまでも一例なので、決める事柄が前後することは当然あります。
最初から、このゲームのシナリオを使いたい(その世界観で遊びたい)ということもよくあります。
その場合は、ルールブックのシナリオフックや世界観そのものを「種」にすることになるでしょう。
大事なことは「自分も楽しいと思える、やりがいのあるシナリオ」を想像することだと思います。
途中で、飽きてしまったら、とりあえずできたところまで名前を付けて保存をしておいて寝かしてしまったりしても全然かまわないと思います。
「やりたいこと」の表現に対するモチベーションが戻ってきたらまたそのときに引っ張り出して、その繰り返しでいつか完成すればいい、ぐらいの軽い気持ちで取り組んで構わないと思います。
(もちろん、オリジナルシナリオをやります! って言ってすでに人が集まっていて日程も決まってるならそうはいきませんが)
自分が見てみたい展開が、完成して、セッションしたら見れるはず、その思いがきっとシナリオ作りに励む皆さんを励ましてくれることを信じています。

ぜひ、それぞれのシナリオを作ってみてください。
長文でしたが、お読みくださりありがとうございました。

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